Berberineはヒト歯根膜幹細胞の骨分化をEGFRを介したERK-FOSシグナル経路を介して増強する

The promotion function of Berberine for osteogenic differentiation of human periodontal ligament stem cells via ERK-FOS pathway mediated by EGFR

Scientific Reports (2018) 8:2848

Jin wt al., Xi’an Jiaotong University, China

 

Coptidis Rhizoma(黄連)はhPDLSC/CMCの膜上受容体に結合し、そこから抽出される活性物質であるBerberine(BER)はhPDLSCの増殖と骨分化を増強する可能性がある。EBRと結合するhPDLSCの細胞膜上の受容体や、BERとhPDLSCの直接的な相互作用、それにかかわるシグナリングについては不明である。本研究では、BERとhPDLSC間の受容体としてEGFRをCMC上での結合、BERとの競合、分子ドッキングシュミレーションスコアを用いてスクリーニングした。また同時にMAPKのPCRアレーを用いてhPDLSCがBERによる刺激を受けた際に変化するターゲット遺伝子をスクリーニングした。結論として、BERはhPDLSC細胞膜上のEGFRに結合し細胞内のERKシグナルが活性化され、核内でのFOSの変化に伴う遺伝子が活性化されることにより、PDLSCの骨分化に影響を及ぼす。

 

Coptidis Rhizoma(オウレン・黄連)はTraditional Chinese medicine (TCM) に使われる薬で歯周病に効果があるそうだ。Berberine(BER)はCoptidis Rhizomaの主な薬効成分で、炎症と骨吸収を抑えるらしい。Cell membrane chromatography (CMC)とはソニケーションと遠心によって得られた膜成分を活性化したsilicaとインキュベートして結合させ、カラムに詰めてBERと受容体阻害剤を通した時の通過によって膜成分を解析する。その結果BERがEGFRに直接結合しているらしいと分かる、そのあとはシグナルとしてERK,さらに機能として骨芽細胞分化の増強を示している。ERKはわかるが遺伝子レベルが15分で上がるものを見ている。ALP、OPN、OCNが15分で上がるのをどうとらえるか。石灰化誘導でミネラルの量が増えるのを示しているのなら、長期の分化でのマーカー変化を見る方が必要ではないか。EGFRが活性化すると増殖が促進されるイメージがあるがそちらはどうなのか。In vitroの石灰化は細胞が多い方が有利。この振りかけ実験からBERが歯周病の再生に使えるように書かれているのは乱暴。オープンジャーナルはだんだんと論文の質が下がるのは仕方がないようで、低いところで安定するように思う。