低酸素はHIF-1依存的に歯由来幹細胞のセメント芽細胞分化を促進する

Hypoxia Promotes CEMP1 expression and Induces Cementoblastic Differentiation of Human Dental Stem Cells in a HIF-1 dependent Manner.

Tissue Eng Part A. 2013 Oct 11. [Epub ahead of print]

Choi et al., Seoul National University, South Korea

 

低酸素はHIF-1依存的に歯由来幹細胞のセメント芽細胞分化を促進する

 

 

Cementum protein 1 (CEMP-1)はセメント芽細胞、歯根膜細胞に発現し、セメント質形成に関与している可能性がある。低酸素(Hypoxia)は多くの組織の発生、分化に関与している。歯根膜幹細胞(PDLSC)および根尖濾胞性幹細胞(Periapical follicle stem cell: PAFSC)を低酸素にするとCEMP-1発現を上げ、石灰化物沈着、ALP活性を上げた。低酸素により誘導されるHIF-1を強制的に増強するとCEMP-1発現を石灰化も上昇した。さらに、マウスの歯根形成や歯周組織形成が低酸素状態で起こる事を示した。HIF-aの誘導物質であるDesferrioxamine(DFO)が歯根膜空隙でCEMP-1を増強していた。セメント質形成に低酸素、HIF-1が重要であり、HIF-1活性化剤を用いた再生治療が考えられるかもしれない。

低酸素はin vitroでは幹細胞の培養を効率よくするために用いられるが、ここでは分化を誘導している。PDLSCは何故、HIF-1でセメント芽細胞様になるのか。組織における酸素分圧というのはいったいどうやって測るのか。(抄録のみ)